車に轢かれて亡くなってしまう命を減らしたい【閲覧注意】
※この記事では、車に轢かれて亡くなってしまう命を減らすために『車を運転する人々へ向けて安全運転の啓発を目的に』子猫の亡骸や火葬の様子を記録した写真や動画をありのまま掲載いたします。この記事を見た方が安全運転を意識し、車に轢かれて亡くなる命が少しでも減少しますように。
ロードキルゼロは人間が車を運転する限り無理かもしれないけど、少なくとも安全運転を意識すれば何匹かの尊い命は轢かれずに済むはずです。
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譲渡会場を探し続けていた2023年6月下旬。
みーくん(※後述)繋がりで出会った霊園の方が去年紹介してくださった城東町の物件がなぜか脳裏に浮かび、どうしても気になって車を走らせると城東町二丁目の交差点に猫が倒れていました。
お呼ばれされたのかな。
まだ月齢4か月前後の綺麗なグレーの子猫でした。
こんなかわいらしい小さな命が。
このままにしておくとさらに後続車に轢かれてしまうので、感染対策をした上で亡骸の回収をすることに。
いつもこんな感じで、感染対策に細心の注意を払いながら亡骸を引き上げます。
手袋・ピーズガード・シート・段ボールなどの箱もの・三角コーンを常備。我がシェルターにウイルスを持ち込むわけにはいかないので手洗い・洋服の着替えはマスト。消毒を徹底するために全身にスプレーを散布しまくったりお風呂に何回も入ることもあります。
ちょうど亡骸を引き上げる際にシートが2枚しかなく持ち合わせがなく困っていたところ、少し離れたところにあったお店にダメ元で段ボールをいただけないか?交渉してみたところ、快く譲っていただけました。※感染対策を徹底した上で来訪
この猫の素性を確認するため、近隣の複数の方に聞き込み調査をし飼い主のいない猫だと確認。
当シェルターでは、ロードキルの危険性が非常に高いエリアから保護した子や虐待の多い地域から保護した子など、ひとりでは生きていけない子が多くおり、FIP治療や抗がん剤治療などで医療費がかさみ活動費もカツカツな状況です。
そんな現状を考えると市に委託されている回収業者さんに子猫の亡骸を回収に来てもらうことも考えましたが、回収業者さんは燃えるゴミと一緒に亡骸を焼却されてしまう現実があります。(首輪のある亡骸は1週間冷凍保存してくださったりもします。割り当てられる少ない予算の中で地域の環境美化のために多くの動物の亡骸を回収してくださっている業者さんにはリスペクトしかありません。誰が悪いとかはない)
この世に生を受けて、4か月しか生きることが出来ずに最期は車に轢かれ続け、燃えるごみと一緒に燃やされてしまう。
私が逆の立場だったら、苦しすぎる。そもそも苦しいという言葉では表現できないですね、、、
そうなったらやることはただ一つ。
最期くらいはせめて人の温かさの中で、火葬して送り出してやりたい。
なるべくお金はかけないで。
これが今できる精一杯の供養です。
今まで温かいベッドで眠ったこと、ないよね。
去年、高速道路で車に轢かれて亡くなっていた野良猫みーくんの亡骸引き上げの際に、当時結婚する前の妻が発した言葉。
現状は少しでも医療費に資金を回さないといけないので、YouTubeで見たタオルを猫ベッドにするやり方で、百均でタオルを購入しベッドを自作してみた。
フードは勝手ながらみなさんからご支援いただいたものから少しずついただきました。みなさんありがとうございます。
ここから先は火葬になります。
今まではここで霊園の方にバトンを託していましたが、本日は最後まで見届けることにしました。
初めて、火葬内部を見る。
これが現実なんだ。
世間から『野良猫』と呼ばれていた子たち。
わたしはこの活動を始める前、外にいる『野良猫』のことを見ては『猫は自由でのんびり暮らしていていいなぁ』そんな呑気なことを思っていた。
2年前、群馬に移住してきてわかったこと。
物件の周りには野良猫が大量繁殖していて、目の前の道路までほんの数メートル。
この道は車が2台通れるのがやっとな拡さなのに抜け道に使われる裏道なのでみんなビュンビュン飛ばします。
このエリアでは外を生きることに適していない。目の前の命に向き合おうと決めて、外を生きる猫たちの過酷さをたくさん知ることになりました。
飢えと渇き。病気や感染症。虐待、阻まれの対象。遺棄され轢死にも至る。
頭蓋骨は砕け散っていた。
最期は車に轢かれて亡くなってしまったところ偶然にも出会いこの霊園に連れてきた子が今回のひーちゃんを合わせて5匹になりました。
本当なら生きているうちに出会いたかったよ。
外を生きる命たちは、少なからず人間が創り出した環境下で懸命に生きている。
こうして、生きたくても生きられない命がいます。
だからこそ。車に轢かれて亡くなってしまう命をゼロにしたい!
それを実現するためにはどうすれば良いのかと。方法を探し、『野良猫ゼロ』という考えに共感していた時期もありましたが、なんか違う。
猫は被害者なんですよね。
被害に遭う猫をゼロにしたいから野良猫をゼロにしよう!危険なお外から野良猫をいなくさせるために一斉に避妊去勢だ!って、、、
なぜ被害者の猫をいなくさせるのかなと疑問に思った。
もしこれが人だった場合はそんなこと言う人はいないだろうな。
加害者になりうる立場に対して啓発活動をするのが本来のあるべき姿ですよね。
人と猫。種族が異なるとものさしに違いが出るのは違和感だなぁと感じる。
元来、命あるものは生きるために生まれてきます。
もちろん人や他の動物たちとうまく共生していくためにはある程度の繁殖制限は必要になってくる。
ただ、私は過剰な避妊去勢に対しては反対です。
過度な行いは人間のエゴになり。
『○○ゼロ』って聞こえは良いのですが、本質をきちんと捉えないとその当事者である動物たちにしわ寄せが行ってしまいます。
それって対等なのかな。異なる種族だからこそお互いに歩み寄らなければならないんじゃないかな。
ゼロという目標を掲げて、無作為に避妊去勢を実施し、生まれてくるはずだった命を堕胎し弔いすらしないケースもよく耳にする。
そんな犠牲の上に、なにが残るのか?
人よりも立場の弱い子たちはただただ無念さが残るのではないかな。
私は動物福祉の精神を大切にしながら、目の前の命と向き合い、ゼロではなく減少に向けて今できることをしていきたい。